大麻草の成分の一種であるCBDは、様々な疾患に効果があるとして現在も研究が進められています。
しかし、大麻草由来の成分の一つ、と聞くとそれが合法なものなのか、体への危険性はないのか、依存性や副作用があるのではないか?と心配になりますよね。今回はCBDの依存性と副作用についてお伝えしていきます。
目次
WHOの見解
WHOとはWorld Health Organizationの略で世界保健機関とも呼ばれる国際連合の専門機関です。
動物や人間の実験でCBDに依存作用が確認されないこと、マウスの実験でCBDには耐性や離脱症状が見られないことなどから、WHOは2017年11月に薬物依存に関して「CBDは公衆衛生上の問題も濫用の危険性もない」という見解を示しました。
また、2017年12月には「CBDを国際的に規制対象物質とすべきではない」ということをWHOが正式に発表しています。
これらのWHOの発表を受けてイギリス、アメリカ、カナダ、オーストラリアを含む多くの国がCBDに関する規制を緩和しました。
その後、CBDに注目する人や利用する人が増加し、CBD製品の市場が成長した結果、CBDを店頭やオンラインで簡単に入手することも可能になりました。
このようにWHOがCBDを安全なものだと認めたことをきっかけに、CBDに対する社会的認識が大きく変化したのです。
大麻やマリファナなど違法薬物とC B Dの違い
以前記述しましたが、CBDとは、カンナビジオールとも呼ばれる化合物で、大麻草の茎や種子などから抽出されます。
CBDは大麻やマリファナから連想される「人をハイにさせるような精神活性作用」は全くなく、むしろ安全性が高いことで知られている成分です。
大麻やマリファナの葉や花穂からは、THC(別名:テトラヒドロカンナビノール)と呼ばれる成分が抽出されますが、このTHCこそが精神活性を持ち、人をハイにさせる陶酔作用を持ちます。
よくCBDはTHCと混同されがちですが、同じ植物から抽出されるとはいえ、抽出される部位も化学構造式も性質も、全く違うということを理解しておいてください
要するにCBD自体は、大麻やマリファナの中の一部の成分というだけで、THCも含む大麻やマリファナそのものではないということです。
安全なCBDオイルの選び方
CBDは非常に安心して摂取していただける成分であることが、WHOの見解からもわかっていただけたかと思います。
その一方で、ヘンプからCBDを抽出する際は事業者側は細心の注意を払わなければならず、この注意を怠ると、違法成分であるTHCが含まれてしまう危険性も潜んでいます。
粗末にCBD原料を抽出し製造しているCBD製品には、THCなどの違法成分が含まれている可能性も否定できません。
そのため、問題なく安心して使用できるCBDオイルを購入するためには、購入者ご自身が賢明な判断をする必要があります。
では、安全なCBDオイルを購入するための選び方をご説明していきます。
THC成分の無いCBDオイルを選ぶ
CBDオイルを選ぶ上で最も大切なことは「THCが含まれていない」CBDオイルを選ぶということです。
日本では、THCが配合されている製品を所持しているだけで違法となってしまいます。
必ず、購入する商品がTHC成分で無いことを確認して購入してください。
第三者機関にて成分分析が行われたCBDオイルを選ぶ
安全性を重視しているメーカーは、第三者機関で成分を分析しその結果を提示しています。
第三者機関で検査を行なっている利点とは、実際に成分が記載通りに含まれているか、THCが含まれていないか、重金属や農薬などの害のある物質が混入していないかなどの製品の品質が保証されることです。
検査結果を確認し、自身が信用できるCBD製品を購入してください。
CBDの抽出法を確認する
大麻草からCBDを抽出する方法は、多々あります。その中でも、CBDオイルに最も適した抽出法とされているのが、超臨界二酸化炭素抽出法です。
超臨界二酸化炭素抽出法の利点とは、低温抽出が可能なため麻の成分を損ねにくいことや、抽出の際に二酸化炭素だけで行うため非常にクリーンな抽出を行うことができる点です。
CBDの抽出法をきちんと確認し、超臨界二酸化炭素抽出法を選ぶことをお勧めします。
CBD以外のカンナビノイドの混入が無いか
CBD原料の種類には「CBDアイソレート」と呼ばれるCBD以外の成分が含まれていないものと、CBD以外の他のカンナビノイドが含まれているもの(ブロードスペクトラムやフルスペクトラムと呼びます)があります。
CBD以外の他のカンナビノイドが含まれている原料を摂取した場合、他のカンナビノイドとの相乗効果によって、より強い作用が期待できると言われています。
しかし「安全性」という観点からはあまりおすすめできません。なぜなら、他の成分が含まれているということは、THCが含まれている懸念もあるからです。
販売者自身も知らぬうちにTHCが混入していた製品を販売していたという事例も耳にします。よほどCBDに精通している方でない限りは、CBD単体のCBDオイルを選ぶことが賢い選択といえそうです。強い効果を期待するが故、安全性チェックを怠らないようにしましょう。
自身に合ったCBDオイルを選ぶ
購入するにあたり、大事なのは継続し続けられるCBDオイルを選ぶことです。
ご自身がストレスなく飲みたい!と思えるCBDオイルを選ぶことが大切です。
ベースのオイルの種類、濃度、フレーバーなどが挙げられますが、それぞれの観点から自分好みのCBDオイルを見つけてみてださい。
副作用について
安全な医薬品であっても必ず副作用があるように、CBDにも必ずしも副作用無いというわけではありません。
これからCBDに報告されている副作用を挙げていきますが、これらはCBDを摂取した後に必ず起こる副作用ということでは決してありません。実際にCBDを摂取しても副作用が現れないことの方が多いです。
また、CBDは安全性が高く、万が一CBDの副作用が現れたとしても、その症状は一般の医薬品の副作用に比べて軽度である場合がほとんどだということも覚えておいてください。
CBDの効果の現れ方が人によって違うように、副作用の現れ方も様々です。様子を見ることは大切ですが、過剰に心配する必要はないと言えます。
吐き気
CBDの摂取により、吐き気や胃の不快感を示すことが報告されています。
これはCBDの摂取量が多くなると起こりやすくなる症状ですが、万が一起こってしまったら不快感が消えるまで投与量を減らす、またはCBDオイルを摂取した直後に水を飲むようにしてください。
空腹時に摂取することでCBD効果の効果も弱まってしまうと言われていますので、空腹時のCBDの摂取は控えましょう。
口渇
CBDオイルは口腔内を乾燥させることもあります。これは、CBDが唾液の生成を少なくなることによって起こる一時的な症状です。
CBDによる口渇を感じたら、いつもより多い水を飲むようにしてください。水を飲むことで口渇の症状はすぐに消えるでしょう。
めまい
CBDによるめまいは、CBDを高濃度で摂取する人やCBDアークペンのようなCBDを大量に吸収できる器具を使用する人に起こりやすい症状です。
このめまい症状は、CBDにより血圧が低下したことによって起こっている可能性があります。
めまい症状が現れた場合には、その場に座ってリラックスをし、軽食を取ったりお茶を飲んだりして様子を見るようにしてください。
眠気
CBDには強い眠気を起こす作用があり、CBDの摂取量が多くなるにつれその作用が強まることが知られています。これは、不眠症でCBDを利用している人にとっては期待する効果でもあります。
万が一眠気が強く出てしまう人は、運転前や危険な作業をする前のCBD摂取は避けるべきでしょう。
人によっては、日中のCBD摂取量を少なめにして夜にCBD摂取量を多めにすることで、日中の眠気を防げ、夜の快眠に繋がる場合もあります。
気分や食欲の変化
CBDには気分や食欲に影響を与える作用があることが報告されています。
これは、CBDが不安を軽減することによって結果的に発現する作用とも言えます。
気分や食欲の変化が合わない場合には、CBDの用量を減らすなどして自分に合った用量を探すようにしてください。
パーキンソン病の症状がある方
低用量のCBDがパーキンソン病に有効である可能性が示唆されていますが、高用量ではパーキンソン病の症状を悪化させるかもしれません。
パーキンソン病やパーキンソン症状のある人はCBDを試す前にかかりつけの医師に相談してください。
肝機能の悪化
CBDによる肝機能悪化は、CBDやCBDオイルにおいて報告された最新の副作用です。CBDは、肝臓の解毒機能を阻害する作用があるため、肝機能の悪化を招く恐れがあります。
また、CBDの肝臓の解毒作用を阻害する作用が原因で、CBDとある種の薬と一緒に摂取するとその薬の効果を過剰に長引かせたり、副作用を過剰に発現させる恐れもあります。
例えばグレープフルーツやグレープフルーツジュースと一緒に服用してはいけないと言われている薬です。
グレープフルーツやグレープフルーツジュースにもCBDと同じような肝臓の解毒阻害作用があることから、肝臓の解毒阻害作用の影響を受けてしまう薬との併用に注意しなければいけないと決められています。
肝臓に疾患を抱えている人や肝機能の数値に問題がある人、またすでに服用している薬がある人は医師に相談してからCBDやCBDオイルを購入してください。
抗凝血作用
CBDには抗凝血作用があることが報告されています。
ワーファリンやバイアスピリンなどすでに抗凝血剤を服用している人がCBDを摂取すると出血傾向が強くなりますので注意が必要です。
また、抗凝血剤を服用していない人でも手術をする1週間前はCBDを摂取しないようにしましょう。手術の予定が決まっている人は主治医にCBDの摂取について相談しておくようにしましょう。
最後に
CBDオイルの安全性は高く、危険な副作用などはありません。治療の可能性を示すための初期的な科学的根拠があり、乱用や依存の報告はないとしています。
CBDオイルの反応は個人差があり、適切な量も人によって異なります。
少量で高い効果を認める人もいます。多く取るとそれだけ効果が高いかというとそういうものでもないのです。
少量から始めて、目的に合った適量を探す事が大切ですね。